胃腸炎について

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環境の変化や季節の変わり目に、おなかの調子が優れないワンちゃんも少なくはないと思います。急な下痢の場合、病院に連れていくべきなのか、何が原因なのか、とても不安になりますよね。

今回は急性胃腸炎・慢性腸炎についてのお話です。

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犬の急性胃腸炎とは?

急性胃炎とは胃や腸に起こる消化器官の炎症または何らかの感染を指します。突然、嘔吐や下痢をし、数日で症状は改善します。

犬の急性胃腸炎の症状

前日まで兆候は見られず、急に嘔吐や下痢を起こします。食欲が落ちたり、元気がないこともあります。嘔吐や下痢をしてもいつも通り元気な場合もあります。

<急性胃腸炎の症状>

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 食欲不振
  • 腹痛
  • おなかがゴロゴロと鳴る
  • 血便

犬の急性胃腸炎の原因

犬は興味本位から何でも口にする傾向がある為、単純に異物の刺激から急性胃腸炎を起こすことがあります。拾い食いをしてしまう癖がある犬は、特に気を付けなければなりません。中毒を起こす可能性がある植物や薬品は取扱いに注意して下さい。

また衛生状態が良くない環境での生活により、急性胃腸炎を起こす場合があります。生ごみなど細菌が増殖したものを誤って食べてしまう危険があります。

寄生虫や何らかの細菌・ウイルスによる感染症が原因で急性胃腸炎と診断されることもあります。代表的なもとのとして、カンピロバクターやクロストリジウムがあげられますが、特定出来ないことも多いでしょう。

そして犬の急性胃腸炎の原因で、いちばん多いのはストレスかもしれません。引越しや旅行など環境の変化や、ペットホテルでの宿泊は強いストレスになり、腸の蠕動や分泌が亢進、もしくは減退する為、下痢になりやすい傾向があります。季節の変わり目に起こる自律神経の乱れもそれに当てはまります。

<急性胃腸炎の原因>

  • 細菌(カンピロバクター、サルモネラなど)
  • ウイルス(パルボウイルス、ジステンパーウイルス、カンピロバクターなど)
  • 寄生虫(回虫、条虫、鞭虫、ジアルジア、コクシジウム)
  • 薬品中毒(ヒト用の非ステロイド性抗炎症剤など)
  • 自律神経の乱れ★ ★ ★
  • 強いストレス ★ ★ ★
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急性胃腸炎を疑った時の検査方法

動物病院を受診する際は、当日に採取した糞便を持参しましょう。口頭での説明よりも、より鮮明に伝わります。場合により、糞便検査や血液検査を必要に応じ施されます。

<検査方法>

  • 触診
  • 糞便検査
  • 血液検査

急性胃腸炎の治療方法

急性胃腸炎の場合、数日で自然に治っていきます。ただ、症状が激しい時は脱水症状の恐れがありますので注意が必要です。

食事については、具体的な症状や原因によって異なりますが、敏感になっている胃腸に優しい消化しやすいフードを与えて下さい。下痢や嘔吐により体内の水分が欠如状態の可能性があります。十分に水分を摂取しているか注意をしましょう。

<主な治療方法>

  • 抗生剤
  • 下痢止め・吐き気止め
  • 皮下点滴
  • プロバイオティクスや整腸剤

急性胃腸炎を予防するには

愛犬の急性胃腸炎を予防としては誤飲を防止しましょう。またゴミ箱を漁ったり、拾い食いをしないように注意して下さい。

そして、愛犬が負担に感じるようなストレスが多い環境は避けるようにしましょう。引越しや旅行のほかに、年末年始の帰省や来客などのイベント事は、興奮しストレスとなってあらわれることがあります。イベントの後の体調管理は特に注意してあげて下さい。

急性胃腸炎は比較的すぐに快方へ向かいますが、子犬やシニア犬は脱水症状を起こしやすく、命に係わる危険もあります。様子見をせず、すぐに病院へ連れていきましょう。

犬の慢性腸炎とは?

一般的な急性胃腸炎の治療をし続けても治らない、または再発してしまう場合は慢性腸炎の可能性があります。一ヵ月たっても症状が改善されない場合、急性胃腸炎以外の病気が考えられます。

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犬の慢性腸炎の症状

慢性腸炎の主な症状は長期間に及ぶ下痢です。食欲があっても消化吸収が出来ていない為、急激に体重が減少します。場合により嘔吐が伴うこともあります。

<慢性腸炎の症状>

  • 長期間に及ぶ下痢
  • 嘔吐
  • 体重減少
  • 食欲減退

犬の慢性腸炎の原因

慢性腸炎の原因は、腸の粘膜に起きた原因不明の炎症です。自己免疫の異常が原因の一つと言われています。また、慢性的に続く下痢が腸炎の場合もありますし、他の病気の可能性もあります。

<慢性的に続く下痢の原因>

  • 炎症性腸疾患(IBD:Inflammatory Bowel Disease)※1
  • リンパ管拡張症 ※2
  • リンパ腫など悪性腫瘍
  • 慢性膵炎
  • 膵外分泌不全

※1 炎症性腸疾患(IBD:Inflammatory Bowel Disease):小腸および大腸の粘膜に起こる炎症で、原因不明の慢性消化器疾患です。一般的に多いとされる「リンパ球形質細胞性腸炎」の他に「肉芽腫性腸炎」や「組織球性潰瘍性腸炎」などに分類されます。

※2 リンパ管拡張症:リンパ液が通るリンパ管から吸収されるはずの必要なたんぱく質が漏れてしまう疾患です。蛋白漏出性腸症の原因でもあります。

慢性腸炎を疑った時の検査方法

触診、血液検査、糞便検査などで異常な数値が出ない場合、内視鏡で組織を採取し、病理組織検査を行います。リンパ球形質細胞性腸炎とリンパ腫の鑑別が非常に難しい為、病理組織検査が必須です。一般的に内視鏡検査は全身麻酔で行います。その為、全身麻酔が可能な体調かも併せて検査します。

<検査方法>

  • 触診
  • 血液検査
  • 糞便検査
  • X線検査
  • 超音波検査
  • 内視鏡検査
  • 病理組織検査

慢性腸炎は原因を絞り込む為の検査をしっかりすることが大切です。的確な治療につなげる為にも信頼出来る医師のもとで検査をしましょう。

慢性腸炎の治療方法

一般的な腸炎の治療と異なり、慢性腸炎では原因に合わせて対処治療を行います。腸の炎症が原因であれば、その炎症を抑えるための抗生剤、合わせて脂質の少ない食材での食事療法も行います。また、完治が難しい疾患の為、生涯にわたり食事制限や投薬が必要になる場合があります。

悪性腫瘍の場合は外科手術、または抗がん剤治療の場合が多いでしょう。

我が家のむぎの場合

我が家の愛犬むぎも慢性腸炎(リンパ球形質細胞性腸炎)を発症して半年以上がたちます。

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近頃、軟便気味かな…と思っていた矢先、突然の水下痢に襲われました。翌日、掛かりつけの動物病院を受診し、抗生剤と下痢止めの薬と消化に良いフードを与える生活を続けましたが、一ヵ月過ぎても改善されなかった為、大学病院で内視鏡検査を施し、数週間後に慢性腸炎(リンパ球形質細胞性腸炎)と病理の検査結果が出ました。処方された炎症を抑えるためのステロイド剤により、下痢はすぐに治まりました。現在は少しずつ減薬と食事療法をしながら、月一の定期健診を受けています。

下痢以外は食欲も元気もいつもと変わらない様子だったむぎですが、気になったのは、犬自身は慢性腸炎は辛いのかということです。担当医に確認したところ「痛みはありません」とのことでした。いつも通り元気で辛い様子がない場合、取り合えず様子見でいいかな…と思いがちですが、早めの受診と治療が重症化を防ぐのだなと実感しました。

下痢が酷い時、困ったのが部屋中の布製品です。我慢できずトイレ以外で出してしまう為、洗濯をし続ける日々でした。防水や速乾性のある製品の使用をお勧めします。

まとめ

突然の下痢や嘔吐を急性なのか慢性なのか瞬時に判断することは出来ません。早めに動物病院で受診をし、経過観察もしっかり行いましょう。

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次回のコラムもお楽しみに!

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