秋~冬にかかりやすいシニア犬の病気と抵抗力のケア

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秋風も早々に冷たくなって、もうすぐ冬がやってきますね。

急激な空気の乾燥と低温化はシニア犬の体に大きな負担をかけ、思いがけない症状が出ることがあります。今回は、シニア犬が乾燥と寒さによってかかりやすくなる病気と抵抗力を保つケアについてご紹介します。

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1. シニア犬が秋から冬にかかりやすい病気とは?

 

泌尿器の病気

寒くなると一日に飲む水の量とトイレの回数が減ることで、膀胱が尿中の細菌などに感染して膀胱炎になりやすい傾向があります。特にシニア犬は抵抗力が弱まりがちなのでかかりやすいといえるでしょう。膀胱炎になると尿のPh(ペーハー)がアルカリ性に傾き、尿中のアンモニウムが増加して尿石症を発症しやすくなります。

膀胱炎の主な症状は血尿と頻尿ですが、はっきりと症状が出ないこともあり、慢性化する場合もあります。

尿石症は尿道、尿管、膀胱、腎臓などに結石ができてしまう病気です。尿がアルカリ性に傾くとなりやすいストラバイト結石と、酸性に傾くとなりやすいカルシウム結石(シュウ酸カルシウム結石)とがあり、シニア犬はカルシウム結石を発症しやすく、再発率が高いといわれています。

尿石症の主な症状は膀胱炎と同じく血尿と頻尿ですが、激しい痛みが伴うため、トイレで震える、背中を曲げる、悲鳴のような泣き声をあげるなどが多く見受けられます。

 

関節の病気

寒くなると血管が収縮して血流が悪くなり、充分な血流が得られない筋肉がこわばり、関節に大きな負担がかかります。寒さが増す秋から冬に関節炎になりやすく、以前から骨や関節の病気を持っている場合は重症化しやすいようです。

歩くのを嫌がる、前足などの関節部分を舐める、ふらつき、歩き方がおかしいなどがみられたら、骨や関節の痛みのサインかもしれません。

 

循環器の病気

寒くなると血管が収縮して血流が悪くなり、末端の血管まで血液を送るために血圧が上昇します。シニア犬は若い犬より血管壁が硬くなっているため、心臓病や脳卒中などの突発的な病気の発症になりうることがあります。

心臓病でよくみられる症状は、湿った咳(嘔吐ではなく嘔吐するようなしぐさ)、暑くないのにハァハァするなどの呼吸の乱れ、唇や口腔内が紫色になる(チアノーゼ)などです。

脳卒中の症状は意識消失、立ち上がれない、全身の震え、左右どちらかの半身麻痺、泡を吹く、横たわったままの失禁などです。

循環器の病気は突発的に起こることが多く、致死率が高い症例も少なくありません。

 

呼吸器の病気

秋から冬にかけて空気が乾燥することでウィルスや細菌などの病原体が飛散しやすいため、抵抗力が弱まるシニア犬は鼻炎や肺炎などにかかりやすいといえます。

鼻炎の主な症状は、多量の鼻水、くしゃみ、目やに、涙を流すなどですが、感染性鼻炎ではなく腫瘍が原因の鼻炎もあります。

肺炎の主な症状は、痰がからむようなゴロゴロやゼーゼーと聞こえるような呼吸音の異常、呼吸困難、嘔吐にみえるしぐさなどです。

 

どんな症状でも「いつもと違う?」と感じたら、重篤な事態にならないよう速やかに獣医さんに相談してくださいね。

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2. 愛犬の環境を見直して抵抗力を維持しよう

シニア犬のお世話に最も必要なことは「抵抗力(免疫力)を保つ」ことです。そのために必要な環境作りができているかチェックしてみましょう。

ストレスの緩和

遊びやお散歩など楽しい時間を心がけていますか?

飼い主さんが楽しい気分でいると愛犬も同じ気持ちになり、逆に沈んだ気分や心配事があると愛犬の気分も沈みがちになります。仕事や用事などでたくさん遊んであげることができなくても、一緒に過ごす時間はなるべく楽しい気分で過ごしてくださいね。まったくのストレスフリーは難しいですが、お散歩などで体を動かす他に何でも良いのでたくさん話しかけてあげるだけでも、愛犬のストレスが緩和されることが期待できます。

 

静かで快適に休めるスペースを確保

居心地の良い寝床やスペースを与えていますか?

シニア犬の身体ケアには休息や睡眠がとても大切です。快適な寝床で良質な休息や睡眠を与えることで、愛犬の心と身体を健全に保つことができます。居心地が良い場所は愛犬のお気に入りの場所、普段よく休んでいる場所で、その場所から負担にならない近い距離に水飲み場とトイレを置きましょう。愛犬の行動範囲内に2箇所くらい設置するのが望ましいです。

 

室内の温度管理

室内の温度は愛犬の適温になっていますか?

20~24度くらいが適温といわれていますが、犬種や愛犬の状態によって適切に保つことが大切です。また、秋から冬にかけての季節は外気温と室温の差が、シニア犬の身体の負担が大きくなる5度以上に広がっていきます。お散歩に出かける時は、洋服やマフラーなどで愛犬の防寒をしっかりと用意してくださいね。

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3. いつものお散歩コースを見直して感染症を回避しよう

毎日のお散歩コースでよく見かける他の犬の糞尿をなるべく避けましょう。糞尿を通して鼻や口から他の犬が持つ細菌やウィルスに感染してしまう恐れがあります。散歩中の愛犬の糞尿の後に消毒処理をしている良識ある飼い主さんも見受けられますが、多くは糞の持ち帰りのみ、悪ければそのまま放置されています。他の犬があまり歩かない穴場コースを探してみるのもひとつの回避術になります。

 

まとめ

秋から冬の寒さはシニア犬の身体の負担が大きく、様々な病気の懸念が出てきます。愛犬の体調をなるべく普段通りに保ち、免疫システムを低下させず抵抗力を保つことが一番のケアになります。また、お散歩コースなどの感染元から回避するのもポイントですが、愛犬にとって飼い主さんと一緒に楽しいひとときを過ごす時間は、どんな手厚いケアもかなわない効力があることを忘れないでくださいね。

これから寒さが増していきますが、飼い主さんもわんちゃんも元気に冬を迎えられますように。

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プロフィール

佐藤香織

2004年~2017年8月までミニチュアダックスフント専門のブリーダーとして貴重な血統を繋ぐための最低限のブリーディングを担い、公的な資格はありませんが、多数の犬の飼育に必要な生態学や心理学を書籍やベテランのブリーダー、実際の犬たちと共に学んできました。現在は10頭のミニチュアダックスフントと保護猫6匹を飼育しながらペットに関する記事を主とするライター業と、ペット飼育に関するペットライフアドバイザーとして活動しています。JKC認定資格 愛犬飼育管理士 保有

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