犬の歯について

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6月は歯の健康週間です。歯の健康は人間だけでなく愛犬にもとっても大事な問題。

飼い主の皆さんは愛犬のお口の中をチェックしてあげていますか?

今回は犬の歯と病気について考えてみましょう。


犬の歯の構造について

歯の本数についてご存知でしょうか。人間の歯は30本前後ですが、犬の歯は42本もあるのです。犬種によって個体差があるため、フレンチブルドッグやチワワなどあごの短い犬種は、もっと本数が少ない場合もあります。歯の種類は主に下記の4種類があります。

  • 切歯(せっし)
    • いわゆる前歯。食べ物を噛み切るときに使います。
  • 犬歯(けんし)
    • 一番長く尖っている発達した歯。
  • 前臼歯(ぜんきゅうし)
    • 奥歯の前にある歯。食べ物をハサミのように引きちぎることができます。
  • 後臼歯(こうきゅうし)
    • 犬の奥歯。食べ物を噛み砕くときに使います。

人間に比べて犬の歯の根っこはとても深く張っています。上あごの歯のそばには鼻腔と目があるため、歯の病気になった場合はこの箇所にも影響が出ることもあります。

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歯の病気について

実は3歳以上の犬の7割以上が、歯周病および歯周病の可能性が高いと言われているのです。

軽度の歯周病は見た目で分かる症状や痛みもないため、自覚症状が出たころには重症化していることが多いので気を付けなければなりません。


歯周病ってどんな病気?

歯周病とは、歯周病菌によって引き起こされる歯茎の炎症を指します。歯茎の炎症だけであれば歯周炎、まわりの骨にまで炎症が進んでしまうと歯周病と呼ばれます。

軽度の歯周炎であれば治療での改善が期待できますが、歯周病まで進んでしまうと完治は難しいでしょう。


歯周病の症状とは

歯周炎まで進行してしまうと、歯と歯茎の間にある溝の歯周ポケットが歯石で覆われてしまい歯周病は加速的に悪化してしまいます。

歯周病の症状は下記のような事例が主に挙げられます。外から見ただけでは取り立てて、重症のように見えないのが非常に厄介です。口臭や歯茎の腫れを少しでも感じたら、医師へ相談することをお勧めします。

  • 口臭がキツくなる
    • 歯石や歯垢が歯に付着し細菌が発生するため、口臭が生臭く感じるようになります。
  • 歯茎が赤く腫れる
    • 歯石や歯垢に含まれる歯周病菌により、歯茎が赤く腫れ炎症を起こします。定期的に口腔内をチェックしていない場合、この変化は見逃してしまう恐れがあります。
  • 歯茎が溶ける
    • 炎症が進んでしまうと、徐々に歯茎が溶けてしまいます。そして、歯の根元が見え歯自体がグラついてきます。最悪な場合歯が抜けることもあります。
  • 歯茎に膿がたまる
    • 歯周病が歯の根元で進行すると、血や膿がたまることがあります。さらに悪化すると、上あごのすぐ上に位置する目の周りが腫れたり、あごの骨が溶けてしまう場合もあります。

歯周病が引き起こす病気

歯周病を放置し進行させてしまうと、非常に怖い病気を引き起こしてしまうことがあります。歯周病は全身に悪影響を及ぼす可能性がある病気なのです。

  • 根尖膿瘍(こんせんのうよう)の破裂
    • 歯の根元に大量の膿がたまり、痛みをともないます。さらに進行すると膿によって皮膚も腫れてしまい、破裂し皮膚が破れて大量の出血と膿が出てきます。また、歯周病菌が血液を介して全身にめぐり、高熱を出すこともあります。激しい痛みから食事が出来なくなることもあります。
  • 心不全/腎不全
    • 歯周病菌が血液中に流れ、心臓や腎臓に到達すると、そこで炎症を引き起こします。この場合、慢性腎不全や慢性腎不全の原因となる可能性があります。
  • あごの骨がもろくなる
    • 歯周病菌が歯の根元に入り込むと、あごの骨にも炎症が起きます。そうすると骨が徐々に溶けてしまうことがあり、ちょっとしたことで骨折してしまいます。

歯周病の治療法

歯周病の治療は抗生剤の投薬など、歯周病菌や炎症をおさえる治療が、一般的に行われています。しかし歯周病の原因である歯石や歯垢をしっかり除去をしなければ、根本的な治療になりません。

歯石除去にはスケーラーと呼ばれる先の尖った器具を使います。この処置をする際に犬が暴れてしまうと非常に危険なため、全身麻酔をかけて取り除きます。全身麻酔をかけることはリスクを伴います。過去の病気やケガ、現在の体調を把握している掛かりつけの医師に必ず相談しましょう。

スケーラーで処置をすると、歯周ポケットを清浄化することが出来ます。さらに進行が酷い状態の場合はルートプレーニングという歯根の汚染物質を取り除く処置が必要となります。そして、もっと重度の場合には抜歯を選択することもあります。


毎日のケアの仕方

歯周病から守るには、何より歯磨きが大切です。愛犬の奥歯の裏側まで見たことがありますか?歯が色素沈着のように黄ばんだり、茶色くなっていたりしていませんか?また、口臭が気になったり歯茎に赤みが出ていたりしませんか?

これらは歯周病予備軍の可能性が非常に高いことを示すサインです。国内では成犬の約80%が歯周病または歯周病予備軍と言われています。うちの子は多分平気なはず…では済みません。歯について気にしていなかった飼い主さんも、今からでも歯磨きを行って出来る限りのケアをしてあげましょう。

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歯磨きを始めてみましょう

最初からおとなしく歯を磨かせてくれる犬なんて、一般的にほぼないと思って下さい。飼い主さんも焦らず、一日一本でも磨くことが出来たらラッキーです。とにかく慣れることから始めましょう。

<用意するもの>

  • 歯ブラシ(ヘッドの小さいものが良いでしょう)
  • ガーゼ、もしくは市販の歯磨きシート
  • ぬるま湯

①口のまわりに触れることに慣れてもらう

犬にとって口のまわり(マズル)は急所です。いきなり歯ブラシを持って口を開けさせようとしても大抵の場合は嫌がります。普段のブラッシングやスキンシップの延長に、口のまわりに触れる機会を増やし、慣れさせましょう。嫌がっているところ無理やり触ると、次から逃げるようになってしまいます。短時間でこまめにチャレンジしてみましょう。上手に出来たら、おやつなどご褒美をあげるのも良いでしょう。

②ガーゼで歯を拭く

口のまわりを触ることがクリアしたら、歯ブラシを使う前にガーゼ(歯磨きシート)でこすり磨きしてみましょう。口の小さい小型犬の場合、綿棒にガーゼを巻いたもので代用できます。濡らしたガーゼまたは歯磨きシートを人差し指に巻きつけ、歯と歯茎をこすります。まず前歯を磨いて、慣れてきたら奥歯へ進んでください。

③歯ブラシを口に入れる

ガーゼ磨きを取得したら、いよいよ歯ブラシを使ってみましょう。まず、歯ブラシの臭いをかいだり、舐めさせたりして歯ブラシが危険なものではないことを認識させましょう。口に入れることが出来たら磨けなくても褒めてあげて下さい。もし齧ってしまっても怒らないよう気を付けましょう。

④歯ブラシでの磨き方

まず前歯の外側から、力を入れずゆっくりブラッシングしましょう。この時、乾いた歯ブラシだと摩擦により痛みが生じるので濡らすことを忘れずに。前歯磨きに慣れたら、徐々に奥の方へ移動し奥歯を磨きます。そして最終的に内側も磨けるよう頑張りましょう!

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歯磨きをするタイミング

お散歩の前後に手入れをするのが日常的になり、忘れにくいでしょう。もしくは寝る前のリラックスした時間帯に行うのもおすすめ。夜中に増殖する歯周病菌をブロックすることが期待できます。


まとめ

成犬になっても歯磨きをしたことがなかったから…と諦めている飼い主さんも多いかもしれません。慣れるまで時間はかかりますが、歯磨きは何歳からでも出来るようになります。歯が健康だと元気で長生きできるのは犬も人も同じです。積極的にお口のケアをしてあげましょう。

 


プロフィール

アキバツマコ。元保護犬のフレンチ・ブルドッグのムギ(9歳♀)を家族総出で溺愛中。これから本格的に迎えるシニア期に向けて勉強中です!

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