関節トラブル・家庭でできる予防ケア

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ペットライフアドバイザーの佐藤香織です。今回は「シニア犬に急増する関節トラブル、家庭でできる予防ケア」についてご紹介いたします。

 

はじめに

犬が5~6才を超えてシニア期に入ると、リードを手に持っただけで飛び跳ねて喜ぶほど大好きだったお散歩に行きたがらなくなったり、いつも楽しそうに遊んでいたお気に入りのおもちゃに興味を示さない、一日中横になってなかなか動かなくなったなど、徐々に運動時間が減っていくのがはっきりとみえてきます。それが単純に老いのためであれば仕方がないのですが、実は骨や関節の痛みが原因になっていることも少なくないんです。

今回はシニア犬に多発する関節トラブルと、予防のためのおすすめホームケアをご紹介します。

犬の関節トラブルはシニア期に急増する

犬の関節の病気の罹患は子犬の時期と5才以降のシニア期に増える傾向があります。また、犬の種類により骨格形成上の理由で発症しやすい病気もあります。

 

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出所:アニコム「家庭どうぶつ白書」

 

椎間板ヘルニア

背骨の軟骨が変形したり飛び出したりして、脊椎神経を圧迫や刺激することで痛みや痺れをもたらします。重症化すると歩行困難、四肢の麻痺に陥ることもあります。犬種を問わずに罹患しますが、特に胴長短足のダックスフントに多発するようです。初期の段階に背中を触ると痛がったり、足を引きずる、立つことができない、痛みで震えるなどの症状がみられます。

 

関節炎

関節の軟骨が擦り減ることでクッション機能が奪われ、関節の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなり、関節が炎症を起こして変形してしまうこともあります。関節を動かすたびに痛みが生じるため、歩くのを嫌がったり、起き上がる動作に時間がかかるようになります。痛みのために食欲が低下することもあるようです。

 

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨(膝の皿)が本来の位置からずれたり外れたりしてしまう病気です。症状として歩行中のスキップ、不自然な足を伸ばす動作がみられます。トイプードルやポメラニアンなどの小型犬に多い病気です。無症状の場合もあり、気付かぬうちに重症化してしまうと骨格が変形してしまうこともあるようです。

 

変形性脊椎症

脊椎をつなぐ軟骨が擦り減って背骨が変形してしまう病気です。脊椎神経のどの部分に障害を生じるかで症状は様々ですが、歩行困難、トイレができない、腰痛、起き上がりが困難になるなどがみられ、症状が徐々に進行すると四肢の麻痺により寝たきりになることもあるようです。

 

変形性関節症

関節軟骨の擦り減りにより骨と骨がぶつかって痛みが生じ、足を引きずる、歩行異常、進行すると骨がぶつかる音が聞こえるようになり、関節を曲げることが難しくなります。肥満、O脚、X脚の犬に発症が多いようです。

 

股関節形成不全

後肢と大腿骨のつなぎ目が変形していることにより、股関節が外れやすくなる先天性疾患です。若いうちには症状がでにくいため、シニア期になってから筋力の衰えで歩行困難などの症状から診断されることもあります。特に体重が10キロ以上の大型犬に多発するようです。

 

前十字靭帯断裂

激しい運動などによる急性と、加齢や肥満などによる慢性があります。地面に足をつけることができないほどの痛みを生じます。

 

関節リウマチ

自己免疫機能が関節を破壊してしまうことにより、末端の関節(前後足くび)に炎症を起こす病気です。初期には症状はみられにくく、進行するにつれて関節の腫れ、硬直、痛みなどがみられ、関節が変形する場合もあります。

 

上記の病気はあくまでも代表的なものです。他にも様々な骨や関節の病気があり、治療の内容は基本的に服薬で痛みの緩和、抗生物質で炎症の鎮静、運動制限、食事指導などが主なようです。重症になると外科手術となりますが、高齢になるほど体力や麻酔の問題で手術ができないこともあります。

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家庭でできる3方向から予防ケア

シニア犬の飼育においてなるべく骨や関節の病気を発症させないように、難しくなく日常生活に取り入れることができ、実際に我が家でも実践している3つの方向からの予防ケアをご紹介します。

① 身体のケア

身体のケアのキーワードはやはり「血行」です。血行を良くするために実施するケアとして、全身を撫でまわすように優しくマッサージしたり、定期的に入浴させるなど、シニア犬を飼育している飼い主さんはすでにご存知だと思いますが、更に効果を期待できるプラスワンのケアを2つご紹介します。

ホットパックでの温浴

ゴム製の水枕に60度くらいのお湯を入れ、犬の身体にあたる温度が40度くらいになるようバスタオルなどで包んで調整します。それを横になった犬の身体の下に敷く、身体の上に乗せる、両足の関節にあたるように足の間に挟むなどして5~10分ほど実施します。

実施する前に冷たかった肉球が、実施後にはポカポカと温かくなり、抹消血管まで血流が改善していることを実感できます。

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  • こんな症状のペットが利用しています
    • シニアになって足が硬くなってきた
    • 関節炎や腰痛の緩和
    • 癌闘病中
    • 日々の健康維持
    • 食欲不振
    • 椎間板ヘルニア

関節のアイシング

運動後(散歩など)に末端の関節(足首)を触ると熱を持っていることがあります。触ってみて関節部分が肉球より熱いと感じたら、冷たい水(氷水など)で濡らしたタオルを軽く絞って関節にあてて、3~5分程度のアイシングを実施します。もしくは室内に入れる前に足を洗う時に、関節に流水をあてて少し冷やすだけでもOKです。これは熱による炎症を起こしにくくする効果が期待できます。

② 犬の専有環境を作る

シニア犬も人と同じく、なるべく段差が少ないバリアフリーの環境や、滑りにくい床が必要であることは基本ですが、実は何より一番大事なポイントは「安心して休める安眠環境」なんです。まずは静かに眠れてゆっくりくつろげる寝床に、横になったときに血流を妨げないように、身体が沈みすぎない適度な弾力があるベッドを用意することをおすすめします。また、寝床のスペースに囲いを付けることで犬の心理に安心感が増すようです。こうすることでストレスをできるだけ軽減でき、ストレスによる血管の緊張を和らげることが期待できます。

アンベルソからのご提案: 「ロイヤルベッド」

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  • 主な特長
    • 体圧分散に優れたダブルクッション構造が体を優しく支えて上質な睡眠を実現します
    • ペットの体が沈み込み過ぎず、寝返りが打ちやすいため、長時間寝ていても体に負担がかかりにくくなっています
    • 睡眠時間の長い仔犬や高齢犬、関節障害のある犬、介護を必要とする犬にもおすすめです
    • 洗えて乾きが早い
    • ヘタリにくく長持ち
    • 優れた通気性
    • ワタのベッドと違い、ホコリが出ず、ダニが繁殖しにくいクッション素材を採用

 

③ 食事でケア

多くの飼い主さんはドッグフードを使用していると思いますが、ひと手間加えてトッピングすることで、骨や関節に必要な栄養を足し算しましょう。軟骨保護成分としてはグルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸、骨や軟骨の形成に必要なのはコラーゲンです。その成分の吸収を助けるのはビタミンC,L-カルニチン、オメガ3脂肪酸です。いつもの食事にこれらの成分を含むサプリメントをプラスしても良いですね。代表的なサプリメントはグルコサミドグリカンが豊富な緑イ貝(グリーンマッスル)、コラーゲンとカルシウムが豊富なサメ軟骨などですが、日常的にスーパーで手軽に購入できる鶏の手羽先で、簡単に作れるカルシウムとコラーゲンを補うトッピングをご紹介します。

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「簡単・鶏手羽先スープ」

鍋に1リットルくらいの水と手羽先を1~2個入れ、最初から弱火で1時間ほどコトコト煮ます。出来上がってそのまま冷めると鶏のコラーゲンでスープが少しトロリとします。食事を与える時にドッグフードにトロリとしたスープをかけて、手羽先を骨ごとキッチンはさみで小さく(まる飲みできるくらい)切ってトッピングします。

※ご注意: 手羽先(手羽元)は必ず小さく切って与えてください。

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ドッグサロンでプロのケアを学んでみよう

水中運動やツボやリンパのマッサージ、リフレクソロジーなどを実施しているドッグサロンに行ってみるのもおすすめです。そこで施術士さんに家庭でできる方法を教えてもらったり、実際に見て学ぶことができますし、深い知識を得られることもあります。

まとめ

犬の関節の病気はたくさんあり、統計でシニア期に発症が増えることが証明されています。どんなに気を付けていても発症を免れない場合も少なくないと思いますが、愛犬には痛みや苦しみがない健やかなシニア期を過ごしてもらいたいですよね。そのためにも愛犬の気持ち良さそうな顔、美味しそうな顔、嬉しそうな顔に癒されながら、愛犬と一緒に楽しんでやってみてくださいね。


プロフィール

佐藤香織

2004年~2017年8月までミニチュアダックスフント専門のブリーダーとして貴重な血統を繋ぐための最低限のブリーディングを担い、公的な資格はありませんが、多数の犬の飼育に必要な生態学や心理学を書籍やベテランのブリーダー、実際の犬たちと共に学んできました。現在は10頭のミニチュアダックスフントと保護猫6匹を飼育しながらペットに関する記事を主とするライター業と、ペット飼育に関するペットライフアドバイザーとして活動しています。JKC認定資格 愛犬飼育管理士 保有

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