床ずれについて

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シニア犬だけでなく、怪我や病気で寝たきりになってしまった愛犬を介護するとき、床ずれを防ぐことは大きな課題になります。

床ずれは気が付かないうちに重症化してしまったり、特にシニア犬は治りかけては悪化の繰り返しになることもあり、注意深く気を付けているつもりでも短時間のうちにできてしまう、とても厄介な皮膚疾患です。今回は犬の床ずれができるメカニズムと症状、予防法や対処法についてご紹介します。

犬の床ずれとは?

床ずれは医学用語では褥瘡(じょくそう)といいます。

人も寝たきりになると床ずれを発症しやすくなり、同じく犬や他の動物の発症メカニズムもほぼ同じです。

寝たきりで長時間にわたって圧迫を受けた部位の血流が悪くなると酸素や栄養が行き渡りにくくなるため、皮下組織に壊疽化(細胞組織が死ぬこと)が起こります。やがて壊疽は上皮質にも広がり、皮膚に穴があき皮下組織や骨が見える状態に達します。この状態では様々な感染症にかかるリスクが高まり、更に重症化すると骨をも蝕んでいきます。床ずれは皮膚疾患といっても皮下組織から発症するので発見がしずらく、皮膚に穴があくまで気が付きにくいのが特徴です。

犬の体で発症しやすい部位は主に、各関節部分、アゴ、肘、肩、腰骨、尾骨などの骨ばった部分と、後ろ足の内側部分といわれています。

表皮に赤みができている、その部分だけ乾燥している、毛玉ではないが毛が固まっている、ジクジクしているなどがみられたら床ずれができている可能性が高いです。

犬の床ずれ3つの予防法

ではどうしたら床ずれの発症を防げるのでしょうか?ここで予防法を3つご紹介します。

(1) 寝床のベッドや敷物は体圧分散に優れたものを使用しましょう。

特に床ずれができやすい部位にかかる体圧を分散することで血流が悪くなるのを防ぐために最良の方法です。

体圧分散についてはこちら>

(2) こまめに体位交換(寝返り)しましょう。

自力で動ける状態の犬の数時間の睡眠では、寝返りをしていなくても床ずれができることはほぼありませんが、寝たきりになると血液や体液の循環が著しく低下しているため、数時間で床ずれができてしまうことが少なくありません。長くても1~2時間に1度くらいの体位交換を心がけましょう。

(3) こまめに軽いマッサージを施してあげましょう。

体位交換のたび、体の下になっていた方(寝床に接地していた面)を優しく数回撫でてあげるだけでマッサージになり、体圧で滞っていた血液や体液の循環を促す効果を得られます。また、撫でることで皮膚や被毛の状態を確認できるので、床ずれの早期発見にも繋がります。

この他、抱っこや市販の吊り下げタイプの補助具を使って立たせるなど、少しの時間でも体を起こしてあげることもおすすめです。

床ずれができてしまった時の対処法

老い衰えて寝たきりになる、または若い犬でも病気や怪我で寝たきりになる場合、健康な犬より代謝や循環などの体内メカニズムが低下するため、どんなに気を付けていても床ずれができてしまうこともあります。そんな時の対処法を3つご紹介します。

(1) 患部を常に清潔に保ちましょう。

患部とその周囲の被毛を刈り、ぬるま湯で傷をきれいに洗い、水分をしっかりと拭き取ります。

(2) 傷の乾燥を防ぐ処置をしましょう。

傷口が乾くと瘡蓋(かさぶた)ができ、それが剥がれることで周囲の皮膚組織にダメージが広がり、どんどん傷が大きくなってしまいます。床ずれの場合は皮膚の修復を促す湿潤療法が有効で、傷口が乾かないようワセリンをたっぷり塗ったラップで覆い、傷口を皮膚修復のために分泌される体液で満たして維持します。分泌液が多く傷周辺にあふれる場合は、あふれた分泌液のみをガーゼなどで吸い取ります。

(3) 獣医さんに相談しましょう。

寝たきりの状況下で免疫力や抵抗力が低下していることが考えられ、床ずれの傷から何らかの感染症を発症してしまう恐れがあります。獣医さんに経過を確認してもらい、処方された抗生剤などの薬をしっかりと服用させながら治療を行ってください。また、湿潤療法ではない方法を推奨する獣医さんもいらっしゃるので、場合によってどんな治療を用いるのかは飼い主さんの判断に委ねられることもあります。

犬の床ずれに役立つアイテムいろいろ

犬の床ずれを予防するにあたって、人の日用品が意外と役に立ってくれます。

靴下

犬の脚にはかなり大きいので、履かせることで締めつけることなく皮膚の擦れを防ぐことができ、履かせるのも脱がせるのも簡単です。

リストバンド

肘や関節部分に着用させることでクッションの役割を担ってくれます。犬にはゆるいので締め付けも起こりません。

タオル

適切な厚みになるようたたみ、アゴの下や胸部にあてることで体の沈み込みを防げます。

ベビーパウダー(シッカロール)

おむつの交換時に湿った部分に使用することで蒸れや肌荒れを防ぐことができます。

くっつくタイプの包帯

床ずれができやすい部位の太い部分にも巻くことができます。

他にもアイデア次第で役立つものはたくさんあると思いますので、家にある日用品を見直してみることをおすすめします。

まとめ

寝たきり介護では必ず床ずれが問題になります。床ずれができてしまう原因は、常に体圧がかかる部分の血流が滞り、そのために栄養や酸素が行き届かなくなること、予防の上で重要なキーワードはやはり、なるべく血行を妨げないことに尽きるようです寝床の素材や体位交換に気を配りながらできるだけ予防に努めていきましょう。もしも床ずれができてしまっても慌てず、冷静に対処していけば大丈夫です。犬の寝たきり介護は時間も手間もかかるのが現実ですが、飼い主さん自身が介護ストレスに陥らないようあまり深刻に考えすぎず、ゆったりとした気持ちで愛犬に寄り添ってあげてくださいね。


プロフィール

佐藤香織

2004年~2017年8月までミニチュアダックスフント専門のブリーダーとして貴重な血統を繋ぐための最低限のブリーディングを担い、公的な資格はありませんが、多数の犬の飼育に必要な生態学や心理学を書籍やベテランのブリーダー、実際の犬たちと共に学んできました。現在は10頭のミニチュアダックスフントと保護猫6匹を飼育しながらペットに関する記事を主とするライター業と、ペット飼育に関するペットライフアドバイザーとして活動しています。JKC認定資格 愛犬飼育管理士 保有

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