夏とわんこと東洋医学のお話

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今回は「夏とわんこと東洋医学のお話」です。

 


はじめに

ジメジメの梅雨が去ると台風が心配な夏が到来しましたね。

前回の記事で梅雨の時期に多発する湿気が原因の体調不良(湿邪・しつじゃ)とケア方法をご紹介しましたが、飼い主さんもわんちゃんも元気にやり過ごせましたでしょうか?

これから夏が盛りに向かうに連れてどんどん気温が上がり、猛暑になる日も増えてきます。犬は基本的に寒さよりも暑さに弱い生き物なので、シニア犬にはより厳しい季節といえますね。

今回は夏の暑さで起こりやすい体調不良を東洋医学の観点で考え、根本的な改善が期待できるケア方法をご紹介します。

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夏に体調を崩す原因と考えられる邪気とは?

前回の記事で不調の原因となる「六淫(りくいん)の邪気」のうち、梅雨の時期の湿邪(しつじゃ)のお話をしましたが、夏の暑さから受けてしまうものは「暑邪(しょじゃ)」と「熱邪(ねつじゃ)」であると考えられます。

  • 暑邪(しょじゃ)とは?

暑(しょ)は夏の主な気で火熱から生じるものとされ、暑邪の発病は夏の盛りにだけ患うもので、日射病(直射日光に長時間あたることで発病しやすい)、熱射病(高温多湿の中での運動などで発病しやすい)、熱中症(体熱が蓄積されて発病する)がそれにあたります。また、熱射病と熱中症は暑邪と湿邪が伴う病とされています。

  • 熱邪(ねつじゃ)とは?

火熱邪(ひねつじゃ)ともいわれ、本来は別の邪である火邪と同じく分類されます。熱の患いは体内に熱が溜まり、津液(体液)の解毒が進まないために体内外の陰陽のバランスが乱れて発症するとされています。また、長期間に六淫(りくいん)の寒、燥、風、湿の邪が体内に蓄積されると火邪に変化することもあり、この場合は臓器や循環器などの病の発症、腫瘍を形成しやすいとされています。

暑邪は夏ならではの病気の発症を引き起こすものですが、熱邪は六淫の邪(寒、燥、風、湿)と伴って重篤な病を引き起こすことがあります。

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犬の「暑邪」の主な症状と有効なケア方法

夏に暑邪の患いで犬がかかりやすいのは熱中症といわれています。

散歩中だけではなく室内で発症することも多く、驚くことに冬期間の暖房過多による発症例もあり、緊急で受診した犬の約5割が命を落としていることが報告されているそうです。

  • 犬の熱中症の症状
    • 軽度~呼吸数上昇、多量のよだれ、ふらつき
    • 中度~嘔吐、下痢、脱水による歯茎の蒼白、立ち上がれない
    • 重度~意識喪失、痙攣、
    • 体温が40度以上になると死亡率が高いです。
  • 予防に有効な食べものは?
    • 体内の水分量の確保が必要なことから、キュウリやトマトなどの夏野菜、スイカやキウイなどの果物が有効と考えられます。1~2日おきにドッグフードにトッピングするか、おやつで与えることをおすすめします。また、夏は冷たいものが良いと考えがちですが、冷たいものはむしろ逆効果(冷えた内臓を温めるべく熱を発する)になりますので、犬に与えるものは常温で、量は少量で、シニア犬には小さく切ってあげてください。
  • 環境で気をつけるべきことは?
    • 留守番をさせる時は室内の温度上昇を防ぐ(エアコン、扇風機、換気)対策を施し、飲み水がなくならないよう数箇所に水飲み場を作りましょう。
    • 犬を連れて車で外出する時は、エアコンで車内温度を低め(22度くらい)に設定する、車中に放置しない、キャリーバッグに入れる場合は換気に気を配り、なるべく直射日光を浴びさせない、こまめに水を飲ませるようにしましょう。
    • お散歩は早朝か夜の涼しい時間帯で、激しい運動は避けてこまめに水分補給させましょう。
  • 熱中症になってしまった時の応急処置
    • 犬の意識がある場合は直腸温度が38~39度になるまでとにかく体を冷やしてください。
    • 犬の肛門に体温計を2センチほど差して温度を計ります。
    • デジタルでも水銀でも人用の体温計で大丈夫です。
    • 在宅時の場合はタライや犬用浴槽(なければ人用の浴槽)で水に浸からせる、または犬の体(腹部、股)にシャワーで水をかけて冷やします。
    • 外出時の場合は犬の体全体を水で濡らし、コンビニなどで購入した袋入りの氷にタオルを巻いて犬のお腹や股にあてて冷やします。
    • いずれの場合も体を冷やす応急処置により体温が下がって落ち着きますが、体内の電解質が整っていない場合は水を飲ませても脱水が進むことがありますので、必ず動物病院で診察してもらいましょう。
    • 犬の意識がない場合はまず犬の体に水をかけて濡らし、とにかく早急に動物病院に運んでください。
    • この時の注意点は、気道が塞がって窒息するのを防ぐため犬の舌を軽く引っ張り、舌が口の外に出た状態にして運んでください。
    • 病院に到着するまでの間も、保冷材や氷をタオルで包んだものでお腹や股、首、脇の下を冷やして体温を下げる処置をしてください。

犬の「熱邪」の主な症状と有効なケア方法

犬の熱邪(及び火邪)の直接的な患いの主な症状として考えられるのは多飲多尿、シャワー後の皮膚の乾燥(フケやかゆみ、赤み)、湿疹、できもの、便が硬い、量が少なく濃い黄色のオシッコなどです。

これらの症状自体は深刻なものではないように見えますが、六淫のいずれかの邪を伴った患いの初期症状である場合は気付きにくく深刻です。例えば多飲多尿がみられる場合に考えられる病気はクッシング症候群(副腎皮質機能亢進賞)、腎不全、糖尿病などがあります。

犬に出やすい症状の説明ではイメージしにくいと思いますが、人の場合で多いのが内熱(うちねつ)と呼ばれる症状で、体温計で計っても平熱よりちょっと高いくらいの体温なのに、なんとなく熱っぽくて体がだるく、歯が浮くような感じで歯茎が腫れることがあります。これが典型的な内(体内)にこもった熱の症状です。犬の症状は人とは少し違いますが、症状のメカニズムはほぼ同じようです。

また、火邪を患うと腫瘍ができやすいことも重要な注意点です。

小さな症状にみえてもいつもと違うと感じたら、動物病院で診てもらうことをおすすめします。

  • 予防に有効な食べものは?
    • 体の余分な熱を冷まして津液(体液)の解毒を促してくれる食べものは、トマト、キュウリ、枝豆、トウモロコシ、スイカ、豆腐、豚肉などです。(枝豆やトウモロコシは塩を使わず煮る)
    • 1~2日おきにでもドッグフードにトッピングするか、おやつで与えることをおすすめします。(常温で少量)
  • 環境で気を付けることは?
    • 室内や車内の温度が上昇しないように、エアコン、扇風機、換気でしっかり調節しましょう。また、熱邪(火邪)は津液(体液)に溜まった熱と毒素で不調をきたすことから、血行を促進して代謝を促すことも必要です。室内では軽くおもちゃなどで遊んであげる、早朝か夜の涼しい時間帯にお散歩させるのも有効です。軽い運動の後は涼しい環境でしっかり体の熱を冷ましてあげてください。
    • シニア犬はあまり動きたがらない傾向があり、老化で津液(体液)や血液の循環機能が低下しているので、お散歩や遊びをしたがらない時は全身を撫で回してあげることで循環を促してあげましょう。
  • なんらかの症状がみられた場合
    • その症状が熱邪(火邪)の症状なのか、他の邪と伴う症状なのかは、とても複雑でわかりにくいため見分けられるものではないと思いますが、いつもと違う、何かおかしいと感じたら、重篤な病気が潜んでいる可能性もあるので動物病院で診てもらいましょう。

まとめ

暑邪は夏に発症しやすい熱中症などに充分注意することで予防できますが、熱邪(火邪)は他の六淫と伴って様々な病気を引き起こす恐れがあるようです。

東洋医学は西洋医学より用語や分類が複雑で近寄りがたい感じがしますが、自然の理に沿った理論で原因に直接アプローチできる優れた医学です。

西洋医学の動物病院で不明と診断されたら、東洋医学の動物病院に行ってみるのも解決策になるかもしれませんね。

これからますます暑さが増していきますが、飼い主さんもわんこも健やかに夏を満喫できますように。

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プロフィール

佐藤香織

2004年~2017年8月までミニチュアダックスフント専門のブリーダーとして貴重な血統を繋ぐための最低限のブリーディングを担い、公的な資格はありませんが、多数の犬の飼育に必要な生態学や心理学を書籍やベテランのブリーダー、実際の犬たちと共に学んできました。現在は10頭のミニチュアダックスフントと保護猫6匹を飼育しながらペットに関する記事を主とするライター業と、ペット飼育に関するペットライフアドバイザーとして活動しています。JKC認定資格 愛犬飼育管理士 保有

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